頭部(脳)の怪我・疾患・後遺障害についての解説
脳疾患(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症など)
①外傷による頭部への強い圧力によって発症する場合と、②長時間労働(過労)などの継続的に強い負荷を受けたことにより発症する場合があります。
※業務上の負荷が原因で、脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症などの脳疾患が発症した場合の解説はこちらをご参照ください。
【脳・心臓疾患になった方やご家族へ】労災申請と損害賠償について | 札幌の弁護士による労働災害相談(河口法律事務所)
※また、いわゆる過労死についての解説はこちらをご参照ください。
過労死による労災の認定基準は? 労災に精通した弁護士が解説 | 札幌の弁護士による労働災害相談(河口法律事務所)
発症した部位や程度によって、脳の受けるダメージは様々に異なりますが、最悪の場合は死亡に繋がりますし、一命を取り留めたとしても、遷延性意識障害や高次脳機能障害を残すこともあります。
損傷ダメージが比較的軽いと、身体の一部麻痺を残すに留まることもあります。
また、外傷性のてんかん発作の障害が残ることや、頭痛、失調・めまい・平衡機能障害が残ることもあります。
いずれにしても、大変重い結果(死亡、重度後遺障害)が起こり得る病態であり、このような結果となった労災事故に遭った場合には、労災保険からの適切な補償を受けるのはもちろん、勤務先に責任がある場合には、勤務先からの適切な賠償を受けることが重要です。
遷延性意識障害
いわゆる植物状態といわれる状態で、意識があることを確認できない状態が継続し、目を開けることはできるものの意思疎通はできない身体症状です。
外傷等により頭部に強い圧力が加わったため、大脳が全面的、又は広範囲に損傷することによって発症します。
具体的には、脳出血やくも膜下出血が生じたり、びまん性軸索(じくさく)損傷が生じることによって、遷延性意識障害に至ります。
高次脳機能障害
高次脳機能障害とは、脳梗塞やくも膜下出血といった脳血管障害や、事故外傷などによる脳外傷、心肺停止による低酸素脳症などで脳がダメージを受けたことにより、大脳が司る注意力・記憶力・言語・感情のコントロール等がうまく働かなくなる認知機能の障害です。
事故以前にはできていたことが上手くできなくなり、日常生活や社会生活に支障をきたしますが、外見からは障害が分かりづらいため、「見えない障害」と言われることもあります。
ご本人も周囲の方も症状に気付きにくいため、周囲から理解されづらく、ご本人やご家族は辛い思いを抱えやすいのも特徴です。
頭部(脳)の障害等級
脳損傷による身体性機能障害
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第1級の3 |
身体性機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの |
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第2級の2の2 |
身体性機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要するもの |
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第3級の3 |
生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、身体性機能障害のため、労務に服することができないもの |
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第5級の1の2 |
身体性機能障害のため、きわめて軽易な労務のほか服することができないもの |
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第7級の3 |
身体性機能障害のため、軽易な労務以外には服することができないもの |
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第9級の7の2 |
通常の労務に服することはできるが、身体性機能障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの |
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第12級の12 |
通常の労務に服することはできるが、身体性機能障害のため、多少の障害を残すもの |
高次脳機能障害による障害
意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続力・持久力、社会行動能力の4つの能力の各々の喪失の程度に着目して評価を行うこととされています。
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第1級の3 |
高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの |
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第2級の2の2 |
高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要するもの |
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第3級の3 |
生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、高次脳機能障害のため、労務に服することができないもの |
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第5級の1の2 |
高次脳機能障害のため、きわめて軽易な労務のほか服することができないもの |
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第7級の3 |
高次脳機能障害のため、軽易な労務以外には服することができないもの |
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第9級の7の2 |
通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの |
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第12級の12 |
通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、多少の障害を残すもの |
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第14級の9 |
通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、軽微な障害を残すもの |
外傷性てんかん障害
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第5級の1の2 |
1ヵ月に1回以上の発作があり、かつ、その発作が「意識障害の有無を問わず転倒する発作」又は「意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作」(以下「転倒する発作等」という。)であるもの |
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第7級の3 |
転倒する発作等が数ヵ月に1回以上あるもの又は転倒する発作等以外の発作が1ヵ月に1回以上あるもの |
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第9級の7の2 |
数ヵ月に1回以上の発作が点灯する発作以外のもの又は服薬継続によりてんかん発作がほぼ完全に抑制されているもの |
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第12級の12 |
発作の発現はないが、脳波上に明らかにてんかん性棘波を認めるもの |
頭痛障害
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第9級の7の2 |
通常の労務に服することはできるが激しい頭痛により、時には労務に従事することができなくなる場合があるため、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの |
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第12級の12 |
通常の労務に服することはできるが、時には労働に差し支える程度の強い頭痛がおこるもの |
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第14級の9 |
通常の労務に服することはできるが、頭痛が頻回に発現しやすくなったもの |
失調・めまい・平衡機能障害
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第3級の3 |
生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、高度の失調又は平衡機能障害のため、労務に服することができないもの |
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第5級の1の2 |
著しい失調又は平衡機能障害のため、労働能力がきわめて低下し一般平均人の1/4程度しか残されていないもの |
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第7級の3 |
中等度の失調又は平衡機能障害のため、労働能力が一般平均人の1/2程度に明らかに低下しているもの |
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第9級の7の2 |
通常の労務に服することはできるが、めまいの自覚症状が強く、かつ、眼振その他平衡機能検査に異常が認められ、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの |
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第12級の12 |
通常の労務に服することはできるが、めまいの自覚症状があり、かつ、眼振その他平衡機能検査に異常が認められるもの |
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第14級の9 |
めまいの自覚症状はあるが、眼振その他平衡機能検査に異常が認められないものの、めまいのあることが医学的にみて合理的に推測できるもの |
当事務所で取扱いの頭部(脳)の怪我・後遺障害の解決事例
当事務所にご依頼いただき、解決した頭部(脳)の怪我・後遺障害の事例です。
昼夜連勤を含む長時間運転(労働)のため、くも膜下出血を発症し、高次脳機能障害、半身麻痺で障害等級2級の認定、会社から賠償金を得た例
解決事例はその他にも多数ありますので、詳細は「解決事例」をご参照ください。
適正な障害等級認定を受けることは非常に重要です
河口法律事務所では、労災被害に遭われた方のサポートに注力してきており、これまでにも数多くの方からご依頼を受け、会社への損害賠償請求のみならず、労基署への障害申請のサポートを行ってきました。
詳しくは次のページをご覧ください。
労災保険の障害申請サポート ~適正な障害等級認定のために~
早めの相談・依頼で安心を
ここまで頭部(脳)の怪我・後遺障害について、なるべく平易にご説明して参りましたが、やはり労災認定が実際にどのようになるのか、勤務先会社へはどのように請求すればよいのか等、法律の専門家ではないご本人、ご家族には難しい面も多々あると思います。
自分の主張は法律的に正しいのか、証拠資料の裏付は十分なのか、損害賠償の基準(相場)は合っているのか、他に請求できるものがあるのかないのか、裁判例などの実務上の取り扱いに沿っているのか否か・・・と不安点をあげればキリがないと思います。
そこで、経験豊富な弁護士に相談・依頼して、労災認定のサポートをしてもらうという選択肢があります。
また、勤務先会社に対する損害賠償請求についても、弁護士に依頼して、その可否の検討、賠償請求手続を行ってもらうという選択肢があります。
弁護士は損害賠償請求が可能と判断した場合、通常、いきなり裁判を起こすのではなく、会社に通知書等の書面で損害賠償の請求をして示談交渉を行います。残念ながら話し合いで解決できない場合(示談解決できない場合)には、その先のステップとして裁判解決を目指すことになります。
そのため、裁判まで行かずに示談交渉で最終解決に至る割合はかなり高いのです。
弁護士は、労災の賠償についても熟知しており、複雑・煩雑なやりとり、具体的な証拠の収集、事実認定を経た上での法的主張は日常的に行う業務としてよくなれていますから、ご依頼いただくことでこれらを一挙に担い、有利に、迅速に進めることができます。
労災事故に遭われて、お悩みの方はぜひ一度、ご相談なさってみてください。
ご相談は、電話でもメールでもLINEでも可能で、いずれも無料です。ご相談はこちらです。














