工場作業中、転落してきた重量物に押しつぶされ脊髄損傷、障害1級の認定、賠償金を得た例

事故内容

依頼者(30代男性)は、プラスチック製品等の製造工場に勤務していましたが、フォークリフトを操作して材料を運搬する作業中に、段積になっていた重量物(材料)が転落し、その下敷きになってしまい、脊髄を損傷する等の重篤なケガをしました。

その後、2年以上もの長きに渡って入通院治療を続けましたが、最終的に脊髄損傷で下肢完全麻痺等の後遺障害が残ってしまいました。これらについては労基署から障害等級1級の認定を受けました。

 

依頼の経緯

事故後の治療は労災保険扱いで、給料は会社からの支給がありました(その分、労災保険からの休業補償給付は会社が代理受領していました。)。

しかし、1年を経過したころ、未だ依頼者は治療継続中でしたが、会社から損害賠償の提示を受けました。依頼者にも2割の過失があるとして、減額した金額を提示するものでした。

事故は、会社が組織的にフォークリフトの無免許運転をさせていたことを原因に引き起こされたものであり、会社の法令遵守の無視や安全管理体制の欠陥は明らかであったのに、自分にも過失があると言われた依頼者としては、到底納得できるものではありませんでした。

そのため、不信感を抱いた依頼者は、未だ治療のさなかの段階ではありましたが、当事務所にご相談、ご依頼をされました。

 

弁護活動

受任後も依頼者の治療は長く続いたため、私(弁護士)は会社との間の窓口にはなりつつ、基本的には依頼者の治療をお待ちする形でしたが、折に触れて、依頼者やご家族からの相談に応じて、サポートをしていました。

その過程で会社側にも代理人弁護士がついて窓口になりましたが、治療が終了して障害等級認定がなされてから、賠償金額についての交渉を行うという共通理解はありました。

依頼者の症状は重篤なこともあり、治療や症状固定後の障害等級認定にもかなりの時間を要しましたが、後に1級の等級認定がなされました。

そこで、等級を前提とした損害賠償額の積算を行い、会社代理人宛に請求し、交渉に入りました。

損害賠償の内容は、治療期間中の諸雑費、入院雑費、入院付添費、自宅付添費、将来介護費、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害による逸失利益、後遺障害慰謝料、近親者慰謝料等です。特に将来介護費と後遺障害逸失利益が莫大な金額になるため、ここが全体の金額を大きく左右するポイントでした。

また、事故の内容や依頼者の思いからしても、依頼者に少しでも過失があるとの内容は絶対に受け入れられないところでしたので、そのような姿勢で交渉に臨みました。

会社側も訴訟となると、賠償金額の増加リスクや時間的負担もありますから、交渉で解決したい姿勢を示しており、結果、任意和解による解決とすることができました。

 

結果

依頼者は、これまでの会社からの支払や労災保険からの給付の他に、約2億円弱の賠償金を得ることができました。得られた賠償金額は、訴訟をしたと仮定した場合とも遜色なく、早期和解による解決ができました。

もちろん、高額の賠償金を得ても、依頼者の障害が治るわけではないのですが、会社の責任が認められ、今後の生活のための補償金が得られたという意味で、一つの区切りになったことは確かです。

今後、依頼者が少しでも充実した生活を送っていただければと願います。

 

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