脚立から転落し、手指の関節の後遺障害13級の認定、賠償金を得た例

事故内容

依頼者(50代男性)は大規模発電設備建設工事に従事しており、脚立を使用しての作業中に転落し(地上からの高さ約1.5メートル)、転落時に手をついた際に手首の骨を骨折する等の怪我をしました。

依頼者は約2年間に渡って治療を続けましたが後遺症状が残ってしまい、左小指の機能障害につき13級、手のしびれにつき14級の障害等級の認定を労基署から受けました。

なお、勤務先会社は労災事故以来、約1年間に渡って労災隠しをしており、依頼者には健康保険を使用して治療を受けさせ、自己負担分治療費相当の金銭や、休業中のわずかばかりの毎月の補償金を支払っていました。ただし、約1年後に労災隠しが発覚し、以後は労災保険の適用となっていました。

依頼の経緯

依頼者は労基署から13級の等級認定を受けて労災給付金を受給しましたが、会社からは他に何の補償もなく、休業中の社会保険料自己負担分を早く支払うよう迫られている状況でした。

依頼者の労災事故は、現場が不整形地であり、通常の脚立を使用するのは危険であったにもかかわらず、会社がそれを使用して作業するよう指示した結果、引き起こされたものであり、会社に責任があると思われるものでした。

そのため、依頼者は会社に不信感を抱き、当事務所にご相談、ご依頼をされました。

弁護活動

会社に対して、事故の原因は会社の安全配慮義務違反(適切な用具の手配、適切な作業方法の指示の懈怠)にあるとして、損害賠償請求を行いました。損害賠償の内容は、入・通院慰謝料、入院雑費、休業損害、後遺障害による逸失利益、後遺障害慰謝料等です。

そうしたところ、会社にも代理人弁護士がつき、交渉となりました。

会社は、適切な用具を手配していたのにあえて依頼者が不適切な用具を使用した、安全作業の指示は徹底していた、等の事実とは異なる主張をしてきました。

会社の主張は、依頼者の認識している事実とは異なっており、それは真実ではありませんでした。とはいえ、依頼者の主張が事実であることを示す明らかな証拠まではありませんでした。

そこで、会社の主張は、客観的状況に照らして不合理であり信用できない点を指摘することに加えて、労災隠しの事実を全面的に指摘し、告訴等も辞さない姿勢を示しました。

そうしたところ、様々な要素を考慮したのでしょう。会社の方が折れて、責任を認め、ただし依頼者側にも多少の過失がある事を前提とする提案をしてきました。

結果

これまでの労災保険給付(約350万円)や会社からの既払金(約300万円弱)とは別に、依頼者は会社から500万円強の解決金を得ました。

事故状況・態様からいって、会社の責任を示す明らかな証拠がない状況の中で、いろいろな工夫をもって、良い結果が実現された事案でした。

労災事故に遭われて、お悩みの方はぜひ一度、ご相談なさってみてください。
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