建築工事作業中、機器が落下して顔面部を骨折、そしゃく機能障害で10級の認定、賠償金を得た例

事故内容

依頼者(50代男性)は、土木建築会社に勤務し、建屋設備の建築作業に従事していました。依頼者は荷揚げ作業の監視業務をしていたのですが、荷上げ機械(ウィンチ)が固定具から外れて依頼者の頭部~顔面部にぶつかる労災事故に遭いました。

事故により顔面部の複数個所の骨折を負った依頼者は、約半年間に渡って治療を続けましたが、そしゃく機能と顔面部の神経症状の後遺症状が残ってしまい、労基署から障害等級認定を受けました(そしゃく機能障害につき10級、神経障害につき14級)。

依頼の経緯

事故の原因は、他従業員がウィンチの適切な固定をしなかったこと等にあり、会社に責任があることは明らかでしたが、労災保険からの支給の他に会社からは何の補償もない状況でした。

そのため、依頼者は治療中の段階から会社に不信感を抱いており、当事務所にご相談、ご依頼をされました。

弁護活動

治療が終わり、労基署から障害等級認定もなされた後、会社に対して、事故の原因は他従業員の過失にあること、そのため会社も不法行為責任(使用者責任、民法715条)を負うとして、損害賠償請求を行いました。損害賠償の内容は、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害による逸失利益、後遺障害慰謝料等です。

そうしたところ、会社にも代理人弁護士がつき、交渉となりました。

会社は、依頼者にも過失がある(過失相殺の主張)そしゃく機能障害は労働能力喪失をもたらさない(後遺障害逸失利益の否定)などと争ってきました。

これに対して、当方は具体的な作業態様からして依頼者に過失などないこと、そしゃく機能障害による具体的な支障(仕事上、日常生活上)を指摘しました。

何度か代理人同士のやりとりを経ましたが、会社側も任意示談解決を望んでいることは感じられますし、依頼者もまた訴訟となり長期化するのは望まない意向でした。そのため、お互いに譲歩した形での任意和解解決となりました。具体的には、当初の当方請求から2割程度の減額ラインでの和解となりました。

結果

これまでの労災保険給付(約300万円)の他に、依頼者は会社から約1000万円の解決を得ました。

本事案の特筆点はスピード解決であり、労基署の障害等級認定から約3か月後に会社との間で和解解決とすることができました。長引かせたくなかった依頼者にとっては非常によい結果となりました。

労災事故に遭われて、お悩みの方はぜひ一度、ご相談なさってみてください。
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