勤務先敷地内の駐車場に空いていた直径約15cmの穴に足がはまって転倒、残った症状に障害14級の認定、約300万円の賠償金を得た例

事故内容

依頼者(50代女性)は、福祉関係の法人に務めており、利用者を車で送迎する業務中、勤務先の駐車場に直径約15cmの下水管の穴が蓋のない状態で放置されていることに気づかず、穴に足先からスポッと入って転倒してしまう労災事故に遭いました。

依頼者は直ちに治療を受けたものの、当初受診した病院の処置があまり良くなかったこともあり、コンパートメント症候群となってしまったこともあって治療が長引きました。1年以上の治療をしましたが、最終的に足の痛み(神経症状)が残存してしまい、これについて労基署から14級の障害等級の認定を受けました。

 

依頼の経緯

勤務先は、当初から労災事故として扱ってはくれましたが、依頼者の不注意による事故という扱いで、労災保険からの給付以外には何の補償もありませんでした。

しかし、利用者の送迎のために従業員が車の周囲を動き回る駐車場内に、足がはまり込んでしまうような穴があることは危険であり、勤務先としては蓋をする等の事故防止措置を容易にとれたはずです。

そのため、依頼者は、勤務先の対応に疑問を抱き、当事務所にご相談、ご依頼をされました。

 

弁護活動

事故の原因は勤務先が駐車場に穴があいた危険な状態を放置していたことにあると考えられました。このような場合、土地工作物責任といって、その原因物(本件の場合、駐車場)を占有している者が事故の責任を負うと法律で定められています(民法717条)。

そのため、当方が勤務先法人に対して損害賠償請求を行いました。損害賠償の内容は、休業損害、通院慰謝料、後遺障害による逸失利益、後遺障害慰謝料等です。
そうしたところ、勤務先法人にも代理人弁護士がつき、交渉となりました。
会社は責任があること自体は争いませんでしたが、当方が請求した損害の内容を争ってきました。

会社が責任を認めているため、(解決までの長期化を避ける意味でも)裁判とはせずに交渉解決(示談解決)としたいところでしたが、勤務先法人の対応は非常に遅く、当方から通知や回答を出すと、それに対する勤務先法人からの返答に2か月以上を要するなど、一般社会の常識上では考えられないようなスローペースでの交渉を何往復も強いられました。

しかし、依頼者は辛抱強く交渉に対応し、最終的には、任意和解(示談)に至ることができました。

 

結果

最終結果として、それまでの労災保険給付(約200万円)の他に、依頼者は勤務先法人から約300万円の賠償金を得ました。
辛抱強く対応した結果、良い結果を得ることができました。

労災事故に遭われて、お悩みの方はぜひ一度、ご相談なさってみてください。
ご相談は、電話でもメールでもLINEでも可能で、いずれも無料です。ご相談はこちらです。

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