漁船上で船から海へ転落するのを避けようと、咄嗟に船体を掴んだ手がベルトコンベアのチェーンに巻き込まれてしまい負傷、障害等級10級の認定、勤務先から約500万円の賠償金を得た例

事故内容

依頼者(50代男性)は、ホタテ漁の漁船で乗組員として稼働していましたが、ホタテ貝の選別作業中に船がグラリと揺れたため、海へ落水するのを避けようと咄嗟に船体を掴んだところ、それがベルトコンベアのチェーンのカバーであり、カバー内部のチェーンに手が巻き込まれてしまいました。

結果として、手指の骨折などの負傷を負い治療を続けたものの、最終的には「1手の母指以外の2の手指の用を廃したもの」として、第10級の障害等級認定を労基署から受けました。

 

依頼の経緯

事故の原因は、落水の危険性のある場所で依頼者が作業していた点にあるのですが、依頼者がそこで作業していることは船長(依頼者の雇い主)は把握しており、安全作業指示に問題があったものでした。

しかし、労災保険からの補償の他に雇い主からは何の補償も賠償もなかったことから、依頼者は当事務所にご相談、ご依頼をされました。

 

弁護活動

依頼者の労災事故に関する各種資料を労働局に対する情報開示請求で取り寄せた後、雇い主に対して、損害賠償請求を行いました。損害賠償の内容は、通院慰謝料、休業損害、後遺障害による逸失利益、後遺障害慰謝料等です。

雇い主にも代理人弁護士がつき、交渉となりました。
雇い主は責任があること自体は争いませんでしたが、主に休業損害や後遺障害逸失利益を争う他、漁船の経験が豊富にあった依頼者にも危険な場所で作業をしたことの過失がある(過失相殺)と、損害を諸々争う形で交渉やりとりがなされました。

お互いに(訴訟とはせずに)交渉での解決を図りたいという意向はあったものの、金額についての隔たりは大きかったのですが、最終的には依頼者の過失を3~4割とするラインで何とか交渉を妥結することができました。

 

結果

これまでの労災保険からの給付(約1200万円)の他に、依頼者は雇い主から約500万円の賠償金を得ました。

損害額や過失相殺の争いのため、請求額は減額となりましたが、比較的スムーズに交渉解決できたもので、依頼者にとっては良い解決となりました。

労災事故に遭われて、お悩みの方はぜひ一度、ご相談なさってみてください。
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