トラックのタイヤ交換時に指を挟まれて負傷、障害等級12級の認定、勤務先会社から約600万円の賠償金を得た例

事故内容

依頼者(50代男性)は、トラック運転手として勤務していました。

ある年の11月、自社整備場にて、トラックのタイヤを冬タイヤに交換する作業を複数人でしていました。
作業中、なかなかタイヤがはまらないことに腹を立てた他従業員がタイヤを思い切り蹴ったのですが、依頼者はトラック車体の下に潜り込んで、まさになかなかはまらないタイヤを確認、調整しているところだったので、思い切り蹴られたタイヤに指を挟まれて骨折するなどの怪我をしました。

依頼者は1年半以上にも渡って、懸命にリハビリ治療を続けましたが、人差し指の関節が大幅に動かない状態が残ってしまい、これについて労基署から12級の障害等級認定を受けました。

 

依頼の経緯

事故の原因は、他従業員の荒い行為によるものですから、その従業員はもちろん、雇用主である勤務先会社にも責任があります。

しかし、依頼者の労災事故について、勤務先会社が作成して労基署に提出する事故報告書(労働者死傷病報告といいます)には、原因をぼかして記載しており、依頼者のミスによって事故が起こったとも受け取れる内容になっていました。

他にも休職中の依頼者に対する勤務先会社の対応ぶりなどにも不信感を募らせた依頼者は、当事務所にご相談、ご依頼をされました。

 

弁護活動

依頼者の治療が終わり、労基署による等級認定が済むまで、当事務所は依頼者と勤務先会社とのやりとり(主に休業補償申請の書類のやりとりなど)の窓口になるなど、継続的に依頼者をフォローしてきました。

また、治療終了を機に、依頼者は勤務先会社を退職することになったことから、退職処理(有給休暇の充当や貸与品の返還も含めて)についても事実上、当事務所が代行をするなどもしました。

そのような中、ようやく依頼者の後遺障害についての労基署による等級認定も済んだことから、勤務先会社に対して、損害賠償請求の通知をしました。損害賠償の内容は、通院慰謝料、休業損害、後遺障害による逸失利益、後遺障害慰謝料等です。

勤務先会社には代理人弁護士がつき、示談交渉となりました。

幸い、勤務先会社は、事故原因を偽る主張はせず、他従業員の荒い行為によって事故が発生したこと、そのため勤務先会社も責任を免れないこと自体は認めました。
しかし、勤務先会社は、依頼者が他従業員に合図なく、車体の下に潜り込んで作業をしていた結果、事故が起きたので依頼者にも過失がある、他従業員よりも依頼者の過失の方が大きい、等の主張(過失相殺主張)をしてきました。

もちろん、これは依頼者にとって事実ではなく、到底受け入れられないため、依頼者側の主張を詳細に反論するなど交渉をしました。
ただ、勤務先会社は対応が非常に遅く、一度の回答に数か月単位を要したため、依頼者としては本当に焦らされました。

依頼者はよく我慢し、約1年間に渡る交渉を続けた結果、ようやく任意示談に至ることができました。

 

結果

それまでの労災保険からの給付(約400万円)の他に、依頼者は勤務先会社から約600万円の賠償金を得ました。

辛抱強く対応した結果、良い結果を得ることができました。

労災事故に遭われて、お悩みの方はぜひ一度、ご相談なさってみてください。
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