過労運転で自損事故を起こし、肩関節の機能障害で後遺障害12級の認定、賠償金を得た例

事故内容

依頼者(50代男性)は長距離トラックの運転手でしたが、勤務先会社は尋常ではない程の長時間労働をさせており、過労運転の影響で注意力が散漫になった結果、自損単独事故を起こし負傷しました。事故前の一日の拘束時間は15時間程度、事故前半年間の休日は平均して1か月に1日という異常な過重労働の状態でした。

労災保険の申請には問題なく、依頼者は長期間の治療を続けましたが、肩関節の可動域制限という機能障害が残り、障害等級12級の6の認定を受けました。

依頼の経緯

会社は、自損単独事故であり、会社に責任などあるはずもないという対応でしたが、これに不信感を抱いた依頼者は当事務所にご相談、ご依頼をされました。

弁護活動

会社が依頼者にさせていた長時間労働の程度は尋常ではなかったことから、過労運転が事故の一因ではないかと考えられました。

そのため、事故自体は依頼者の運転操作ミスという過失によることは間違いないものの、過労運転が運転操作ミスの一因になっていたもので、原因を作った会社に責任があるとして、損害賠償を求めました。

会社も代理人弁護士をつけて交渉となりましたが、最終的には会社の責任を認める形で和解解決とすることができました。

結果

労災保険からの給付とは別に会社が依頼者に800万円弱を支払うという形で和解となりました。

障害等級からすると、訴訟をしてより高額の賠償金を得られる可能性もないわけではありませんが、裁判所が会社の責任を認めない可能性もそれなりにあること(事故原因の問題)、また依頼者の過失を問われる可能性(過失相殺)をも考えると、よい解決となったものと思われます。

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