工場内で高所を清掃作業中、梯子から転落して手首を骨折負傷、障害等級10級の認定、勤務先会社から約1000万円の賠償金を得た例
事故内容
依頼者(40代男性)は、工場内の作業員として勤務していましたが、ある時、その日の勤務が終了する間際に、普段とは異なる高所の拭き掃除をするよう上司から命じられました。
高さ的に脚立を梯子状にして使用して作業をしていたところ、梯子状にした脚立の脚が滑ってしまい、依頼者は脚立から転落し、手首を粉砕骨折するなど重い怪我をしてしまいました。
依頼者は何度も手術するなど、約3年間に渡る治療を続けましたが、手首の関節の可動域が著しく制限された状態が残ってしまい、これについて労基署から10級の障害等級認定を受けました。
依頼の経緯
事故の原因は、依頼者単独で脚立を梯子状にして高所作業をさせたことにあると思われました。
具体的には梯子の脚が床からズレる(転位する)おそれがあるのに、そうならないように固定するか、補助者が脚を押さえるといった対策をとらなかったために、脚が滑って(転位して)、依頼者は転落してしまったということです。
治療期間中に依頼者は勤務先を退職していました。
在職中も退職後も、勤務先は労災保険からの補償の他に依頼者に何がしかの補償や賠償をするそぶりは全くなかったため、これに不信感をいだいた依頼者は当事務所にご相談、ご依頼をされました。
弁護活動
元勤務先に対して、損害賠償請求の通知をしました。損害賠償の内容は、通院慰謝料、休業損害、後遺障害による逸失利益、後遺障害慰謝料等です。
元勤務先には代理人弁護士がつき、示談交渉となりました。
元勤務先は、事故の責任自体は認めましたが、「そんなに高い箇所の掃除を命じていない」、「脚立を梯子状にして使用することは禁止していた」、「事故は依頼者の不注意に起因する」等の指摘をして、依頼者に大きな過失があるとの主張をしてきました(過失相殺の主張)。
これは依頼者にとって到底受け入れられるものではありませんでした。
そもそも、事実でない指摘ばかりであるというのが依頼者の認識であり、これらの点をめぐって、交渉は難航しました。
ただ、依頼者も元勤務先も、(手間も時間もかかる)訴訟とはせずに、任意示談交渉で解決したいという考えはあったことから、最終的には、双方ともに譲歩した内容で何とか交渉妥結に至ることができました。
結果
これまでの労災保険からの給付(約800万円)とは別に、元勤務先から約1000万円の支払を受ける形での和解となりました。
依頼者にとっては、比較的早く交渉解決で多額の賠償金の支払を受けることができたので、相当に良い結果となりました。
労災事故に遭われて、お悩みの方はぜひ一度、ご相談なさってみてください。
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